日本政策金融公庫へ融資の申請をする前に注意した方が良いと考えられることをいくつか挙げさせていただきます。
但し、これから書く例にすべて当てはまらないからといって、必ずしも飲食店開業融資が通過するというものではありません。
あくまで融資を受ける前段階でのお話であって、これらをクリアすることで日本政策金融公庫での融資のスタートラインに立っているという位置付けで見ていただきたいです!
つまり、以下に当てはまる場合は、いくら創業融資支援の専門家がサポートしても、融資通過の確率がかなり低いということになります。
以下の事項に該当した場合には、日本政策金融公庫に嫌がられないための対策が必要となってきます!
<過去に自己破産、債務整理をしている>
過去に自己破産と債務整理を経験している方は借金を完済してから約5年超くらい経過していないと日本政策金融公庫で融資を申請したとしても審査に通過する確率はないと思ってください。
これは創業融資支援の専門家がサポートしたとしても厳しいです。
<消費者金融等から借入をしている>
消費者金融から借入して、かつ遅滞がある方は、かなり厳しいと思って下さい。
消費者金融から借入しているから絶対ダメというわけではないですが、よほど正当な理由を証明できなければ金額にもよりますが厳しいです。
CIC(https://www.cic.co.jp/)と言う信用情報機関で1度調べてみることをお勧めします。
日本政策金融公庫の借入申込申請書にも書いてありますが、あなたの個人情報をCICで確認しています。
<自己資金の貯蓄過程が立証できない場合>
よくあるのが、いわゆる見せ金です。つまり通帳に突発的にお金が入ってきたケースです。
多くの方は、タンス預金をしていたと言いますが、これは立証できないと厳しいです。
手渡しで給料をもらって家で貯金していた方がこれに該当したりします。
タンス預金、つまり銀行に預けるのではなく、ご自宅で貯金をしている方は、この記事を読んで気づいた今からでも遅くないと思いますので、貯金過程を記録する為にも銀行に貯金をして、しっかりと通帳に貯金過程の跡をつけるようにして下さい!
また、知人に貸したお金が返金されたと言う方もいますが、仮にそうだとしたら、しっかり貸借の過程等の証拠(契約書等)を用意して下さい。
その証拠がない場合は、自己資金として認定されるのはかなり厳しいです。
<ご自身の貯金がほとんどなく、親族等からの出資に依存している方>
自己資金等は、自己資金+みなし自己資金(親族等からの出資)で成り立ちます。
日本政策金融公庫は、自己資金の金額よりも、その自己資金をどのようにして集めたのかを重要視します。
そのため、ご自身の貯金がほとんどなく、親族等からの出資に依存している方についても日本政策金融公庫は嫌がります。
理由は単純です。
独立して創業しようと考えていてるのに、会社に勤務しながら大変ではありますが、(仮に)100万円くらいの貯金をしようとは思わなかったの!?ということです。(「100万円」には根拠はありません。)
本気で独立を考える方なら、事業計画を作成して創業に必要な資金をコツコツと貯金をするはずです。
そして自己資金が多ければ多いほど、それだけ創業のために時間と労力をかけてきたということですから、創業への思いは強く、コツコツと努力できる人柄も好ましいと判断されます。
創業後も借入の返済ができる計画性がある人だ、という指標になります。
仮に親族出資等がかなりの割合を占める場合には、創業予定者自身にハイレベルのスキルがある場合や、確実な顧客を開業前から押さえている(顧客リストを予め作成しておいてください)、信用できる専門家がサポートに入っている等の好条件と、かつ自分で貯金できなかったことに対する正当な理由を日本政策金融公庫へ説明が出来る状態にしておいて下さい。
上記を提示できれば挽回できる可能性があります。
<勤務経験が、ほとんどない>
これは融資審査にかなり響きます!
日本政策金融公庫からしてみれば勤務経験がないのに、なぜ成功イメージが湧くのかという印象を持ちます。
勤務経験がないケースの場合には、自己資金を通常より多く、そして、ビジネスモデルがしっかりしている証明ができなければ厳しいです!
また、この勤務経験がアルバイトばかりということも厳しいのでご注意ください。
アルバイトばかりの勤務経験は、日本政策金融公庫から、ほぼ未経験と取り扱われる可能性があります。
また、勤務経験が長いのはとても素晴らしいのですが、それ以上に何をしてきたか等の経験を見ています。
<税金及びライフライン関係の支払いがしっかりされているか>
未納、遅延はかなり印象が悪いです!
ライフラインである水道光熱費、家賃、クレジット支払い等、住民税等の税金支払いは、期限を守りしっかり払っておきましょう!
<創業計画書の精度が甘い>
売上計画の算定根拠、原価率の根拠、費用項目の漏れがないか。
社会保険に加入するなら法定福利費と言う飲食店の経営者負担部分が発生します。
内装工事や機器を購入するなら減価償却費というお金の支出が伴わない費用が発生します。
リスク対策である生命保険、がん保険、事業に応じて損害保険料などが漏れているとリスク管理を考えていないと思われます。
個人事業でスタートなら所得税、個人事業税、内装工事等に対する償却資産税等の税金です。
そして、利益に減価償却費を合計した金額から、税金と生活費、将来的な損失に備えた内部留保を差し引いて借入金を返済できるのか。
つまり、そもそも事業計画の数値計算が正確に行われていなければ、利益の妥当性を証明できず、借入金を返済できる計画だとしても信用しがたいということになります。
そのような意味で、会計士・税理士が事業計画書の作成をサポートすると最大コストである税金計算等が性格に計算されているお墨付きがあるため専門家のサポートを日本政策金融公庫は好みます。
つまり、日本政策金融公庫の目線としては、事業スキルが優秀、売り上げを伸ばせるかというよりも、借入金を確実に返済できるのか、ということの方が重要です。
日本政策金融公庫としては「実現可能性が高い事業計画書」なのか、ということが気になるということです。
上記は、創業融資支援の経験の中で気づいた代表的な項目ですので、もちろん全てではありません。
ですが、日本政策金融公庫に融資を申し込むのであれば、最低限この項目はクリアしてから創業を目指すと良いと思います!